恐らく現在、工芸大のメディアアート(MA)表現学科に
在籍している方々にとっては常識なのかもしれないが…、
本日たまたま知って大変びっくりしたことを一つ。
僕は普段、まあそこそこには本を読む方だと思うのだが、
ベストセラーと呼ばれる類いの本はほとんど読まない。
面白そうだなと思っても、「どうせ他の人が読んでるし…」
などと偉そうに思ってしまうのである。
なのでもちろん、「世界の中心〜」とか「東京タワー」とかも、
手に取ったことが無いのだけど、本日はなぜか、
偶然にも目についたその本を手に取ってしまった。
それは現在、新潮社新書のベストセラーとして、
藤原正彦氏の「国家の品格」と共に名を連ねている
「人は見た目が9割」(竹内一郎著)という本であった。
この本のことは、当然存在としては知っていた。
センセーショナルなタイトルだから売れているんだろうな、
くらいに(大変失礼ながら)思っていたのだが、
著者の竹内一郎さんという方のことは勿論存じていなかった。
・・・つもりだったのだが、たまたま手に取った裏表紙の
プロフィールにある筆名(ペンネーム)の紹介を見て驚愕した。
「さいふうめい」
…なんと、竹内一郎氏とはさいふうめい先生の本名だったのである。
さいふうめい氏とは、かつて僕が中学・高校時代の週刊少年マガジンに
おいて大変な人気を博した「哲也 雀聖と呼ばれた男」の原作者であり、
何を隠そう、僕がTAをやらせていただいていた工芸大MA学科において、
非常勤講師として教鞭をとっておられた方である。
(恐らく現在も続けていらっしゃると思うが)
僕自身は、さいふうめい先生の授業に関わる機会は無かったので、
どのような内容の授業をされているのかは存じていなかったのだけど、
かつてMA学科が古い校舎にあった時代には、
非常勤の先生方の控え室が僕のいた部屋と共用で、なおかつ同じ机で
待機していたので(…と言っても部屋に大机が一つあるだけなので、
必然的にそうなっただけだが)
本当に少しだけだけど、お話しさせていただいたことがあった。
と言っても、当時から「哲也」の原作者であることは存じていたので、
「昔、哲也読んでました」とかいう類いの話を少しさせていただいた
くらいなのだが(我ながら話題の乏しさを情けなく思う…)、
まさか、このような形で先生の著作に出会うとは思っても見なかった。
もちろん、元々著名な方だったとは言えばそれまでではあるが、
そうは言えども、このようにして事実を知るというのは、
ただただびっくりであると言う以外に言いようが無い。
それにしても、かつて先生の授業を受けた(あるいは現在受けている)
メディアアート表現学科の学生は、この現象をどのように見ているのか、
個人的には非常に気になるところである。
なお、先生との数少ないお話の機会で、僕が今もよく憶えているのは
「ヒット作を出すと、その後の方がむしろ大変なんです」と
言うようなニュアンスの内容であった。
要するに、周りがそのヒット作を前提として次の作品を求めるために、
猛烈なプレッシャーが生まれてくる、ということと解釈しているのだが
(…真意と異なるかもしれないので、あくまでも参考程度に読んでください)
今度のベストセラーというのは、今までとは比べようも無く大きいと思うので、
果たして今、どのような心境でこの現象の中にいらっしゃるのだろうかと、
個人的には思っていたりするのであった。
それにしても、世の中というのは本当に分からない。
もちろん、有名になることが全てではないと思うが、
それでもきっと、身近な方々や、縁のあった学生たちが、
近い将来、その活躍を様々なメディアで目にする機会は
必ずやってくるのだろうということを、改めて実感した一日であった…。